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カテゴリ:映画レビュー

本橋成一監督の『アラヤシキの住人たち』は、田舎の共働学舎で共同生活している個性ある住民たちの日常生活を一年間に渡って記録したドキュメンタリーである。北アルプスの山裾にある長野県小谷村。谷間の山道を一時間半歩いた先にある「真木共働学舎」は、自由学園の教師だ ...

日本酒造りには高度な職人芸が要求される。そして日本酒造りは人間の思い通りにはならない。なにしろ相手にしなければならないのは麹菌や酵母菌なのだから。石井かほり監督の『一献の系譜』は、石川県能登半島の出身で、古来より日本酒を作り続けてきた技能集団の能登杜氏を ...

こうした映画を見るたびに、世の中には凄い人がいるものだと思わずにはいられない。稲塚秀孝監督の『NORIN TEN 稲塚権次郎物語』は、世界の小麦の70%以上の基になった「農林10号(ノーリン・テン)」の育種者、稲塚権次郎の生涯を描いた伝記映画である。農学の世界では世界 ...

この映画を見た後は、無性にキューバ・サンドイッチが食べたくなるだろう。12月4日まで広島市のサロンシネマで開催されている「食と農の映画祭2015inひろしま」の1本、ジョン・ファヴロー監督の『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』は、腕利きシェフの起業物語である ...

かつて、故郷の空は渡り鳥の大群で埋め尽くされていた。今井友樹監督の『鳥の道を越えて』は、祖父から聞かされた渡り鳥の話をきっかけに、今井監督の出身地である岐阜東白川村の鳥猟のルーツと謎を探っていくドキュメンタリーである。小さな疑問を追っていくうちに、郷土の ...

柳英里紗さん、榊英雄監督 親子の関係って、なかなか一筋縄ではいかないもの。だが、親はいつだって子供のことを思っている。不器用な親も、不器用な子供もいるのだ。榊英雄監督の『トマトのしずく』は、疎遠になってしまった父親と娘の不器用な関係を描く。 美容院を経営 ...

金子雅和監督、松陰浩之さん 金子雅和監督の『復元師・諸川』では、30分程度の短編が2話連続して上映された。「第一話 神隠しの骨」では、遺跡から発掘された骨を復元し、独創的な学説を唱える考古学者の諸川が紹介される。かつて神隠しが相次いだと伝わる岩山にやってきた ...

笠原賢人さん、鈴木公成製作総指揮 沖田光監督の『ニート選挙』はニートから後ろ盾もなく資金3万円で選挙に挑んだ人物の実話を元にした作品。ドキュメンタリータッチではなく、エンターテインメント性たっぷりの娯楽作として楽しい。 上映では、製作総指揮で映画の元になっ ...

大塚千弘さん、佐々部清監督 佐々部清監督の『ゾウを撫でる』は、ある新作映画に関わる人々の、それぞれの人間模様をスケッチ風に描いていく。Youtubeで公開された8分間の短編ドラマの連作を10本つないで1本の長編映画に再構成した構造となっている。 俳優やスタッフだけ ...

一番近い人なのに、実はよく知らない人。それは自分の親なのではないだろうか。李念修(リ・ニェンシウ)監督の『河北台北』は、娘である監督が12年に渡って、激動の人生を生き抜いた父親の生活を撮り続けたドキュメンタリーである。山形国際ドキュメンタリー映画祭コンペテ ...

 つい15年前まで、トルコではクルド語を話すことが禁じられていたのをご存知だろうか。クルド人は、イラン、イラク、トルコ、シリアに広がる山岳地帯にまたがって暮らす少数民族である。トルコには2000万人以上のクルド人が住んでいる。だが、クルド語の本を読んだり、クル ...

弱い国は滅ぶ。サディック・シェル・ニヤーズ監督の『山嶺の女王 クルマンジャン』は、キルギスの国家的英雄で、国の母ともいわれるクルマンジャン・ダトカの生涯を描く。この映画は、国家的プロジェクトで政府の支援もあり、予算は150万ドルだった。メインプロデューサーを ...

不法滞在者は目立ってはいけない。だから、インビジブルであることを強いられる。ローレンス・ファハルド監督の『インビジブル』は、90年代末頃の不法滞在フィリピン人たちの現実を描く。全ては本国の家族のために彼らは生きる。日本人男性と結婚したリンダ、不法滞在労働者 ...

グスタフ・マーラーの曲は矛盾に満ちているといわれている。そんなマーラーの曲が流れるワン・ウェイミン監督の『その夏に抱かれて』は、教授にレイプされた音楽大学の女子学生の複雑な心の動きを描いている。実話をもとにした作品で、ウェイミン監督の長編デビュー作である ...

原題のThe Blue Hourというのは、昼と夜が入れ替わる頃の空が蒼いあいまいな時間をいう。タイのアヌチャー・ブンヤワッタナ監督の『蒼ざめた時刻(とき)』は、実際にタイで起こった子供が親を殺した事件のニュースを元にしたホラータッチのドラマだ。この映画は、見る者の自 ...

  7月18日から26日まで埼玉県川口市で開催されたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015の短編部門では、134本の応募のなかから一次審査を経た12本が上映された。最優秀作品賞には藪下雷太監督の『わたしはアーティスト』、奨励賞には甲斐さやか監督の『オンディーヌの呪い』と湯 ...

 「あー、怖かった」。上映後、観客席のどこからかこんな声が聞こえてきた。塚本晋也監督の『野火』は戦地となっている密林を生きるためにさまよい歩く兵士の体験を描く。 大岡昇平の同名の原作小説では、第二次世界大戦中のフィリピン・レイテ島が舞台となっているが、映 ...

 ノリのいい音楽と女性たち。これらがあるだけでエンタテインメントは成立するのではないか。チャバ・ファゼカシュ監督の『スウィング!』は、偶然レストランで出会った女3人がジャズグループを結成し、地方回りを始めるという音楽ドラマだ。 歌手の仕事を求めて首都ブダ ...

 ハンガリー映画の『牝狐リザ』(カーロイ・ウッイ・メーサーロシュ監督)(劇場公開時邦題:『リザとキツネと恋する死者たち』)は、日本マニアの女性の周囲で、彼女に興味を持った人々が次々と怪死していくという事件をユーモラスに描いたブラックコメディである。ぶっ飛 ...

 いわゆる問題児というのはどんな学校にもいるのではないだろうか。そんな彼らを厄介者だとして学校から排除するべきか。それとも彼らのことを理解して守ってあげるべきなのか。エルネスト・ダラナス・セラーノ監督のキューバ映画『ビヘイビア』は、過酷な環境のもと、必 ...

(c)QUAD FILMS 普通に生きているってなんだかいいね。アレクサンドル・コフレ監督の『サンタ・クロース』は、サンタに扮した泥棒と少年の一夜のふれあいを手際よく描く。 6歳のアントワーヌは、サンタ・クロースに興味津々だ。クリスマスの夜、寝付けないアントワーヌは、 ...

(c)2014 The Talkies. All Rights Reserved.  ハンディキャップを背負った子供を描く場合、作品のタッチが暗くなったり、お涙頂戴物になったりしがちだ。だが、アミン・ドーラ監督によるレバノン映画『ガーディ』は、そんな難しいテーマをハートウォーミングかつユーモアた ...

 小説のページをめくっていくように、メキシコの片田舎の情景と、そこに住む人々の暮らしが淡々と描かれていく。ホルヘ・ペレス・セラーノ監督によるメキシコ映画『絶え間ない悲しみ』は、物語を進めるための説明というものを排除し、寡黙な描写に徹している。 ひと月ごと ...

                     (c)Intermedia Network  事実に基づいた童話のような映画。ドラガン・ビエログルリッチ監督の『モンテビデオの奇跡』は、南米ウルグアイで1930年に開催された世界初のサッカーワールドカップで活躍したユーゴスラビアチームの ...

 子育ても大変だが、心を病んだ者の介護も大変だ。自分を犠牲にしなければとてもやっていけない重労働である。ランベルト・サンフリーチェ監督の『スイミング・プールの少女』は、小学3年生の弟と心を病んで失業中の父親を持つ17歳の少女の運命を描く。 物語性が希薄で、 ...

 才能がありながら、不遇な立場に置かれている人間が、本来あるべきポジションに就こうと努力するというストーリーラインのドラマは少なくない。リッカルド・ミラーニ監督の『生きていてすみません!』(日本公開題『これが私の人生設計』)もそんな映画の一本であり、男性 ...

 戦争は怖い。そして無意味だ。それを伝えるだけでも、この映画の価値がある。エルマンノ・オルミ監督の『緑はよみがえる』は1917年の冬、激戦地の一つだった北イタリアのアジアーゴ高原におけるイタリア軍の小隊の一夜を描く。 戦争映画といっても、大雪で覆われた塹壕の ...

 マフィアはイタリアでは、今日に至るまで根強い社会問題になっている。ジュリオ・マンフレドニア監督の『僕たちの大地』は、市民による半マフィア活動を軽快なタッチで描く。バックグラウンドの異なる様々な人々が集まり、プロジェクトを成し遂げようとする群像劇である。 ...

 天才というものはいつの時代でも普通の人間とは違う。だが、すべての面で普通でないかと言われると、そうではない。マリオ・マルトーネ監督の『レオパルディ』は、19世紀の大詩人ジャコモ・レオパルディの数奇な人生を描く。早熟の天才といっても、苦しみも喜びもある。本 ...

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